読んで得られる知見
SIMカード、両替、空港からの交通機関、タクシー
オークランド空港にて、simを買う
【SIMカード】
私はオークランド空港に15時30分に着いた。到着口から出た私は、最初にSIMカードを買った。Sparkというキャリア会社のsimカードだ。過去にドバイ、カリフォルニア、トルコ、アゼルバイジャンを旅した時は、wifiルーターを日本で借りて、持って行った。しかし、今回は大自然の中を運転するので、地元の携帯電話会社の電波網を使った方が有効範囲が広くて良いだろうと予想したのが理由だった。森の中で電波が届かなくて、グーグルマップが使用不可能になる事態は極力避けたかった。

【面積カバー率】
ニュージーランドの携帯電話会社は、OneNZとSparkが二大会社で、OneNZは元はVodafoneだったそうだ。私は地元の企業であるSparkにした。OneNZの方が、人口カバー率が高い。しかし、よく考えてみると、面積カバー率が高くないといけないのだ。人口カバー率が高いという事は、人間が住んでいるところに電波が届きますよ、という意味である。大自然の中を走る今回の旅行では、人間の住んでいないところでも電波が届きますよ、でないと困るのである。
【Spark】
そうなると、利益追求で人が済んでいるところ重視のVodafoneよりも、ニュージーランドが酪農と観光で成り立っていることを理解しているSparkの方がカバーする面積が広いのではないか、という推測が成り立つのである。

【電波圏外】
結論から言うと、Sparkで問題なかった。もっとも、後述するが、深い山間部で電波が届かないときがあって、焦ったことがあった。しかし、あそこではVodafoneでもつながらなかったであろう。
【旅行用10ギガ】
私は到着口の近くにあるSparkの店に行った。プリペイドのsimが売られていて、データ量が10ギガまで使えるコースを選んだ。49ニュージーランドドル(約4500円)。結論から言うと、13日間の滞在中に使った量は6ギガだった。一日中、グーグルマップを開き、ナビを動かしての結果がこれである。動画を見ることは無かったので、これで済んだのだろう。また、街にはfree wifiスポットがあるので、クラウドへのデータのバックアップとか動画を見る必要がある時は、それを利用することで済んだ。

【残量アプリ】
店員がsimの入れ替えをし、動作確認をし、スマホを返してくれた。その後、Sparkのアプリを入れるよう薦めてくる。データの残量が分かるからだ、と言う。

【ワンタイムパスワード】
実は、このsimの入れ替えによって、後日、大事件が起きた。それは、カーフェリーの予約をオンラインでしようとした時、クレジットカード決済のワンタイムパスワードがクレジット会社に登録してある日本の番号宛に送られるので、それがスマホに届かなくなり、予約ができないという事態になったのである。一瞬だけ、元のsimに戻そうと思ったが、simのふたを開けるピンがない。店でピンをもらえばよかった、と後悔した。
【リスク】
simの入れ替えによる事件がこれだけで済んだが、よく考えると、電話番号とリンクしているサービスがあれば、そのサービスが断絶するかもしれないことを予想すべきだった。運良く、WhatsAppとSkypは継続して動いてくれた。
両替したが結局は現金を使わなかった
空港内に両替コーナーがある。私はここで4000円を両替した。しかし、旅を終えるまで、一回も現金を使う事は無かった。全て、クレジットカードで済んだ。ニュージーランドでは、クレジットカード決済の場合は、追加で手数料を取られるが、それは代金の5%くらいだ。
中国南方航空のカウンターへ行くことを忘れる
長旅で疲れていたので、私はsimを入れ替える事が出来ただけで、正直、空港でやるべきことは終わった、と安堵してしまった。
そう、到着口と同じフロアーにある出発口の中国南方航空のカウンターに行って、帰りの席の予約をすることを忘れたのだった。このことを思い出したのは、タクシーに乗ってしばらく経ってからだった。私は一抹の不安を抱えながら、これからずっと、旅をしなければならないのかと思うと、疲れていたとはいえ、自己嫌悪に陥った。しかし、自己嫌悪がさらに増幅する事件が次に書くタクシーで起きた。
タクシーで暴利をむさぼられたかもしれない事件
【疲労】
オークランド空港からどうやってオークランド市内の安宿までたどり着くか。これが次の課題となった。この時、長旅における肉体的疲労と緊張による精神的疲労が重なり、私はかなり疲れていた。故に、空港から市内までそう遠くないだろうから、どの公共機関を使っても大差ないだろうと思ってしまった。実際はかなり遠いが、それを調べるのを怠ってしまうほど、疲れていた。
【空港から市内への交通手段】
空港を見回して分かったことは、地下鉄が空港まで伸びていないということだった。つまり、バスかタクシーかウーバーのような配車サービスを使うしかないのだ。外国に来て、いきなりバスに乗るというのはかなり勇気がいるし、難度が高い行為に私には思えた。しかも、ニュージーランドのバスは電子マネー化していて、パスカードが必要だった。このカードをどうやって手に入れるのか。これについて、私は分かっていなかった。(後日、空港のバス乗り場の近くに自動販売機があることが判明した。)

【タクシー】
私はネットで調べることを怠り、タクシーに乗ることにした。ターミナルの建物を出ると、すぐ近くにタクシー乗り場がある。そこで、私はタクシーに乗った。タクシーの運転手は愛想がよく、特に問題のある言動をする人ではなかった。私は窓からオークランドの街並みを眺めていた。車が高速道路に入ってから、意外に長く走ったので、私は運賃が心配になってきた。しかし、乗ってしまったのだから、仕方がない、後は早く着くことを祈るばかりだった。
運転手が訊いてきた。「明日は、貴方は何をするんだい。」
私は答えた。「明日は、実は、私はオークランド空港に戻らないといけないんだよ。キャンピングカーを借りるんだけど、待ち合わせ場所がオークランド空港なんだ。」

【キャンピングカーのJucy.com】
私は、出発の数日前に、Jucy.comというキャンピングカー専門のレンタカー会社から車を借りる予約を済ませていた。ニュージーランドにはいくつかキャンピングカーを貸す会社があるが、Jucy.comが一番安かった。安い理由は、車が普通のバンを改造したものだったからだ。他の会社は元からキャンピングカーとして作られた豪華な車だったのに対して、Jusy.comの車はトヨタのハイエースを改造したものだった。前者は家族旅行に最適で、後者は一人旅または恋人同士に最適だった。このJucy.comの予約の時に、一騒動があったが、それについては後で述べよう。
【運転手との会話と決済】
話を戻そう。タクシー運転手は私が明日空港に行くことを知ると、質問してきた。「それで、どうやって空港に行くつもりなんだい。」彼の英語はかなり訛っていて、特にRの音が巻き舌音だったので私は聞き取りづらかった。
私は答えた。「うーん、まだ、決めていないんだよ。」
彼はこう答えたようだった。「それなら、私が明日送ってあげようか。」
私は英語が下手で、TOEICで665点を10年前に取ったきり、ろくに勉強してこなかった。特に、音に関わるリスニングとスピーキングは酷いもので、聞き取れないし、発音しても理解してもらえない状態だ。しかし、語彙力はあるほうで、読解と筆記はまあまあできる。つまり、私は典型的な日本の受験英語の申し子なのだ。そんな私は、いつも「だいたい、相手はこんなことを言っているんだろうな。」と予想しながら、その場をごまかしていたし、それで特に問題は起きてこなかった。
しかし、この適当ぶりが、後でとんでもなく悔しい思いをすることにつながるのであった。
気持ち的には長い時間をかけて、タクシーは、記念すべきニュージーランドの最初の夜を過ごすことになる宿の近くまで来た。
運転手が言った。「ああ、あれだよ。ちょっと、ユーターンするよ。」
宿から見て、通りの向こう側をタクシーが走ったので、運転手は私が通りを横断する必要が無いようにユーターンしてくれたのだ。そして、彼は言った。「宿の前は駐停車禁止だから、ちょっと先に止めるぞ。」彼の言葉は相変わらず聞き取りづらかった。
タクシーが歩道に横づけに停車すると、彼は電卓とタッチ決済対応のクレジットカード精算端末機を出して、何か早口で言った。この時、私が聞き取れたのは、現金かクレジットカードのどちらで払うか、クレジットカードだと決済手数料を上乗せする、ということだった。それ以外に、何かを話しているようだったが、理解できなかった。そこに、長旅の疲労が影響し、私は訊きなおす気力がわいてこなかった。ただ、やたら、彼がリザベーションという単語を連発して、私の顔を見ていたのは気にはなった。しかし、それでも、疲れが勝ち、私は何も訊き返さなかった。彼が悪いことをする人に思えなかったからだ。
私は、「OK、クレジットカードで払うよ。」と答え、PaypayのVISAカードを彼に示した。
彼が、電卓で示した金額は147ドルだった。私は暗算して、それが13000円位なのを理解できた。確かに、意外にも長いこと走行したが、そう言っても、10キロか15キロ位だろう。まだ夕方だから深夜料金が加算される時間でもない。高速道路料金はかからないはずだし、かかるとすればタクシーが空港に入って営業するための入港税くらいだろう。しかし、物価がニュージーランドは日本より高いとウェブに書いてあった。コーラとか二倍の値段だしな、タクシー代が日本の二倍なのもあり得るのかもしれない。
私は、タッチ決済を済ませた。
彼はトランクから荷物を降ろしてくれて、彼のタクシーは去っていった。
時間は18時頃で、日が暮れて薄暗くなってきたところだった。雨が降り出しそうな曇り空で、上下ジャージの私にとって少し肌寒かった。気温は5度くらいだった。
私は思った。ちょっと高かったんじゃないかな。うーん、どう考えても、高いような気がするんだけど。私にとって、目下の懸念事項は、タクシーでぼったくられたのではないか、ということだった。明日からの、楽しいはずのキャンピングカー生活はほとんど思い描く事が出来ないでいた。
私はタクシーを降りた場所から二十メートル歩き、宿の前に立った。
第一印象は、これか、だいぶ汚いな。安宿だから仕方ないか。
まだ、この旅行で幸せを感じたことは無い。
